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緑内障

概説

 緑内障とは、眼圧が高いために視神経が障害されてするために、それに対応した視野が損われ、視力も低下していく病気です。いったんを起こした視神経は回復しないので、緑内障を放置すると失明に至る上、治療に成功しても現状を維持するにとどまるので、早期発見・早期治療が大切です。
 普通、眼圧は15mmHg前後ですが、緑内障の人は21mmHgを超えることが多く、眼球内部の高い圧力で構造的に弱い視神経乳頭が圧迫されるのが一番多い原因と考えられています。しかし、最近は眼圧が正常値(10~20mmHg)でも視神経が弱くて、緑内障となる人がいることがわかってきて(正常眼圧緑内障)注目されています。
 眼圧がほぼ一定に保たれるために、眼球内部で房水(ぼうすい)がバランスをとって産生され、水晶体や角膜に栄養を補給して、隅角(ぐうかく)から排出されています。緑内障は大きく3つのタイプに分けられます。

1)緑内障
 生まれつき隅角に発育不全があり、房水の排出が妨げられるために起こる緑内障で、乳児の時に見つかります。

2)緑内障
 やけがなど明らかな原因により起こる緑内障です。ぶどう膜炎や眼のけがなど眼に原因があるもののほか、糖尿病による出血、他の病気の治療で使うステロイドホルモンの長期使用などがあります。

3)緑内障
 原因がはっきりしないものの総称で、中高年の人に多くみられ、緑内障の中でも最も多いタイプです。緑内障と緑内障は、房水の流れの詰まり方により、さらに開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つのタイプに分けられます。
 開放隅角緑内障では、隅角の奥にある房水を濾過(ろか)する線維柱帯が目詰まりを起こし、産生された房水が眼球内に徐々にたまって眼圧を上昇させるので、本人の気づかないうちに視野が狭くなる、慢性に進行する病気です。
 閉塞隅角緑内障では、虹彩(こうさい)が隅角に接触するたために塞がりやすく、眼圧が上昇します。完全に塞がると、急激に眼圧が上昇し緑内障発作を起こします。このタイプは、60歳以上の女性で遠視の人に多くみられます。年をとると水晶体が厚くなり、虹彩が水晶体に接触し、隅角が狭くなるためです。

症状

 一般的に緑内障では、が乏しく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。緑内障の乳幼児では、目が見えていないような素振りや、別名「牛眼(ぎゅうがん)」といわれるように、眼球や角膜が大きく角膜は青味が強いか白濁して進行した状態でわかることがあります。
 の緑内障発作時には、眼の痛みや頭痛、吐きけ、白目の充血、眼のかすみなどの激しい症状を起こします。時にかぜと間違われます。発作の時は、時間が経つほど治りにくくなるので、すぐに治療を開始し、眼圧を下げる必要があります。

診断

 緑内障を早く発見するためには、視力・眼圧のほかに、と視野の検査が必要です。

1)眼圧検査
 眼圧計で測定した眼圧が21mmHg以上を「高眼圧症」といいますが(眼圧が高いだけでは緑内障とは限らない)、緑内障になる危険性が高いので、年2回の眼圧・検査が必要です。眼圧には、と季節変動があります。診断のためと治療効果の判定のためには、いろいろな時間帯の眼圧を測ったり、片眼のみに治療を開始し、他眼の眼圧と比べることがあります。

2)検査
 検眼鏡などで瞳孔からの視神経の様子をみる検査です。緑内障の場合、視神経がして視神経乳頭の陥没がみられます。近年、眼圧が正常値にあるのに、緑内障性の視神経が進行する「正常眼圧緑内障」が注目されており、と視野の検査はとくに重要です。

3)視野検査
 視野検査には、コンピュータで網膜の光に対する感度を測定(自動視野計)する静的視野検査と、ドーム状の装置を使い動く光がわかると手動で合図する動的視野検査の2つがあります。これで視野がみられた場合、緑内障と診断されます。前者の検査のほうがより正確で早期に診断できます。後者の検査は、視野が進行した人や、自動視野計の測定が難しい人の時に、より有効です。

 緑内障のタイプを診断するには、さらに鏡のついた特殊なコンタクトレンズを角膜の上にのせ、隅角の開き具合を調べる「隅角鏡検査」があり、治療方針を立てるために必要です。また、視野異常を示す頭蓋内疾患を鑑別するため、脳CTや脳も必要な時があります。

※文中にあるオレンジ色の文字にカーソルを合わせてクリックすると、用語の説明が表示されます。

(執筆者:林清文

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出典:「家庭のドクター 標準治療 最新版」(発行:日本医療企画 - 総監修:寺下医学事務所)/ 執筆者一覧


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