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痛風

概説

 この病気は結晶誘発性関節炎の代表例で尿酸の代謝異常、すなわち産生過剰もしくは排泄(はいせつ)低下により尿酸が体内蓄積し、その結果、(けっしょう)中濃度が上昇し高尿酸血症となり発症する疾患です。
 尿酸自身の性質として溶けにくく、特に低温と酸性溶液中ではいっそう溶けにくいため低温部の組織内、特に小関節内にでて関節炎発作、などを生じます。また酸性に傾きやすい尿路に析出し尿路結石、腎障害、腎内尿酸(痛風腎)を生じます。中年の肥満男性に発症が多く、女性の発症は閉経期以降です。最近は栄養状態の改善により増加傾向にあります。また栄養過多に共通の糖尿病と動脈硬化症、による循環器系として性心疾患、高血圧症をきたしやすい疾患です。

症状

 病期は高尿酸血症期(初期)、関節炎発作期(中期)、慢性関節炎発作期(末期)に分けられます。初期は血清尿酸血が7mg以上あってもまったく症状がでない時期で、数年から数十年続く人もいます。健康診断で見つかる人がほとんどです。
 関節炎発作は活動的な中年男性に好発します。飲酒、高プリン食、過冷、過労、外傷、手術、火傷、ストレスなどがとなり発症します。そして下記の特徴をもちます。

 [1]手足の末端の小関節の関節炎である。
 [2]足の親指のつけ根(母趾中足趾)の関節(MP関節)が侵されやすい。
 [3]末期以外に発症することはない。
 [4]突然に発症し、通常6時間程度、多くは24時間で痛みは最高に達する。
 [5]の発赤(ほっせき)、発熱、腫(は)れを伴い、激痛が起こる。
 [6]症状は3~4日持続したあと消えはじめ、2~3週間で消失する。
 [7](症状のない期間)は長く、症状は完全に消失する。
 [8]治療しなければ関節炎の間隔は次第に短縮する。
 [9]関節の変形や運動制限は初期にはみられない。

 治療を開始しないとが非常に短縮して関節炎発作が相次いで発生し、どこかの関節が常に侵されている慢性関節炎発作期に移行します。この時期になるとがでたりします。また経過中、尿路結石を生じて急激な腹部激痛、血尿、発熱などの結石症状を起こす症例の割合が非常に高くなります。その結果、腎機能は低下し、血圧上昇、(ふしゅ:むくみ)、(しんきこうしん)などを呈しになります。検査成績では血清尿酸値は通常7mg/dl以上に上昇しており、また関節炎発作時には(C反応性タンパク)が陽性となり、(せきちんこうしん)、白血球増加が認められます。
 単純X線所見では初期、中期では変化はありませんが、末期では小骨、特に足の親指のつけ根の関節近傍にを認められることがあります。しかし関節腔に異常はありません。の内容は、顕微鏡でみると針状結晶を示し、ムレキシド(murexide)反応が陽性となります。

診断

 中年の肥満男性で、2週間前後の繰り返す関節炎発作が主として足の親指のつけ根に、発赤、熱感および(とうつう)があり、血清尿酸値の7mg/dl以上の上昇があれば痛風を疑います。また痛風の関節炎発作はいくつかの特徴があるので、症状で述べた[1]から[9]の記載とが合っていれば、痛風と診断してよいでしょう。さらに関節炎の関節腋中の白血球内に、尿酸の針状結晶が貪食(どんしょく)されていること、の内容から尿酸の針状結晶を偏光顕微鏡もしくはムレキシド反応で証明できれば痛風のが得られます。アメリカ・リウマチ協会では関節炎の特徴から痛風を診断する方法を提唱しています(図:アメリカ・リウマチ協会の痛風診断基準)。

※文中にあるオレンジ色の文字にカーソルを合わせてクリックすると、用語の説明が表示されます。

(執筆者:柳原泰

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出典:「家庭のドクター 標準治療 最新版」(発行:日本医療企画 - 総監修:寺下医学事務所)/ 執筆者一覧


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