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パニック障害

概説

 パニック障害は不安障害の中に位置づけられる病気です。昔は不安神経症といわれていましたが、薬がよく効くこと、いくつかの物質(カフェイン、乳酸、炭酸ガスなど)のでパニック発作が誘発されうること、睡眠中に起こる発作は怖い夢を見ている時ではないこと、といった知見が基礎となってパニック障害といわれるようになりました。
 病気の中心症状は激しい不安です。形容のしようがない体の底からわきあがる理由のない不安と種々な不安の身体的症状からなるパニック発作が期の中心症状です。いろいろな体の症状を出しますから、この病気が診断されるまでに多くの医師を訪問する患者さんが時々みられます。医学的検査で異常がなく、繰り返し、または、持続的にいろいろな身体症状が出る場合はこの病気を強く疑う必要があります。

症状

・パニック発作
 [1](しんきこうしん)、心臓がどきどきする、または心拍数が増加する、[2]発汗、[3]身震い、手足の震え、[4]呼吸が速くなる、息苦しい、[5]息が詰まる、[6]胸の痛みまたは不快感、[7]吐きけ、腹部のいやな感じ、[8]めまい、不安定感、頭が軽くなる、ふらつき、[9]非現実感、自分が自分でない感じ、[10]常軌を逸してしまう、狂ってしまうのではないかと感じる、[11]死ぬのではないかと恐れる、[12]知覚異常(しびれ感、うずき感)、[13]寒気または、ほてりやそのほかに、口の渇き、腰がぬけるといった発作症状が突然発症し、多くの場合、数分から数十分持続して自然に消失します。


 パニック発作がまた起こるのではないかと強く恐れます。この恐れのために生活様式が変化します。このはパニック障害の中核症状です。

・広場恐怖
 パニック発作を強く恐れて、すぐ逃げ出せないところ、助けがたやすく得られない状況を忌み嫌い、回避する状態を広場恐怖といいます。パニック障害を発症した人の3/4は多かれ少なかれ広場恐怖が出ます。

・非発作性(しゅうそ)
 激しくなく、持続的な種々な症状。期を過ぎると出現します。具体的には、息苦しい、胸がザワザワする、地面が揺れるような感覚、頭が重い・痛む、体が重い、目がちくちくする、血の気が引く、頭の浮動感、雲の上を歩く感じ、手足がしびれる、微熱、耳がツーンとする等々。

・パニック性不安うつ病
 気分の浮き沈みが激しい、夕方近くや夜になると理由なく泣く、時に自傷行為、食欲亢進、寝ても寝ても眠い、体が重りをつけたようにだるい、言葉に敏感に反応して切れたり、強く落ち込む、いろいろな逸脱行動が出る。

診断

 パニック発作が繰り返し出現し、が強ければほぼパニック障害の診断は間違いありません。もちろん、客観的な検査所見は正常範囲。発作症状は口から心臓が飛び出そうとか、息の仕方がわからないとか、医学的常識からは異様な訴えがなされることがあります。多くの場合、外出・乗り物恐怖症が多少ともあります。

※文中にあるオレンジ色の文字にカーソルを合わせてクリックすると、用語の説明が表示されます。

(執筆者:貝谷久宣

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出典:「家庭のドクター 標準治療 最新版」(発行:日本医療企画 - 総監修:寺下医学事務所)/ 執筆者一覧


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