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褐色細胞腫

概説

 副腎髄質あるいは傍神経節(腹腔動脈沿い・腹腔内・骨盤腔後壁などにある)の細胞から発生する腫瘍(しゅよう)で、腫瘍からカテコラミン(アドレナリンなど)などが大量に分泌されるため高血圧、動悸、頭痛、発汗などの症状を示すことが多い疾患です。褐色細胞腫の90%は良性で、90%は副腎に発生し、副腎に発生したものの90%は副腎両側に生じます。腫瘍の大きさは1~20cmのものが大半ですが、なかには小さいものからかなり巨大なものも含まれます。

症状

 典型的といわれる症状は高血圧、動悸、発汗、頭痛などですが、最近のCTや腹部エコーの進歩で無症状に経過する褐色細胞腫がかなりあることが判明してきています。高血圧に関しては、発作性高血圧と持続性高血圧が半々程度で、なかには正常血圧のものもみられます。発作性高血圧をきたすものは発作時に心拍数が増加し動悸、頭痛などを伴います。

診断

・ホルモン検査
 上記の諸症状から褐色細胞腫が疑われ、検査をすすめて診断がつく場合のほかに、最近ではCTやで偶然腫瘍がみつかり、精密検査の結果診断がつく場合があります。まず行われるのは血中や尿中のカテコラミンやその代謝産物の測定です。発作性高血圧を示す例では発作時に血中尿中カテコラミンが増加し、非発作時には上昇が認められないことも多く、測定を繰り返す必要があることがあります。また、持続して高血圧を示す例では常時、尿中カテコラミンは上昇していることが多いのですが、やはり確認は必要です。このほか、薬物がありますが、なかにはやや危険なものもあり、実施する際にはよく検討することが必要と考えられます。

・画像診断
 腹部超音波、腹部エコー、腹部CT、などが有用です。とくには病巣の確定に有用です。副腎髄質由来の褐色細胞腫は副腎皮質腫瘍に比べて大きいためこのような検査でも検出しやすいものです。またにとくに有用な検査にMIBGシンチグラムがあります。褐色細胞腫にに取り込まれるため、褐色細胞腫や褐色細胞腫の転移巣の検索に有用です。ただしMIBGシンチグラムの陰性例が約1割あるといわれるため注意は必要です。

・一般検査
 カテコラミンは血糖上昇作用があるので、大部分の例で異常が認められます。高血圧が持続していた場合、に高血圧性の変化がみられることがあります。また、心電図では、、左室肥大や種々の不整脈がみられることがあります。一般に基礎代謝は亢進(こうしん)しています。ただ、これらは特異的な所見ではないので、診断の上の参考にします。

※文中にあるオレンジ色の文字にカーソルを合わせてクリックすると、用語の説明が表示されます。

(執筆者:田嶋紀子

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出典:「家庭のドクター 標準治療 最新版」(発行:日本医療企画 - 総監修:寺下医学事務所)/ 執筆者一覧


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