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血栓性静脈炎(表在性血栓性静脈炎)

概説

 全身の静脈は表在静脈と深部静脈に分類されます。性静脈炎という場合、ほとんどは表在静脈の静脈炎を意味し、本項でも表在静脈の性静脈炎について解説します。深部静脈のについては「肺塞栓症・肺塞栓症」をご覧下さい。
 本疾患は表在静脈にを伴ったが発症し、を中心に(しゅちょう)、(とうつう)、(こうけつ)などを認めるものです。原因は、[1]外傷(打撲、圧迫など)・静脈損傷(静脈〈せんし〉、留置)、[2]薬剤注入(、抗生剤、抗ガン剤)、[3](下肢)静脈瘤(静脈うっ滞)、[4]モンドール病 、[5]背景疾患を持つもの(血管炎=バージャー病、ベーチェット病、線溶系異常、血小板増多症、〈トルーソー〉)など多岐にわたります。

症状

 表在静脈にが生じるので、このを中心とした、色素沈着を直接確認することができます。また、これらの症状は表在静脈の走行に沿って30~50cmにわたって認められることもあります。モンドール病の場合、前胸部から腹部にかけての皮下に索状(さくじょう:ヒモのように細長い形)のとして触れて発見されることが多いのですが、必ずしも強い症状を伴わない場合もあります。
 多くの場合4週間前後で症状は軽快・消失しますが、時に再発を反復することがあり遊走(ゆうそう)性静脈炎といわれます。

診断

 症状の項で述べたようなの症状から診断は容易ですが、以下の場合には注意を要します。

[1]下肢静脈瘤が原因で静脈瘤内にを生じている場合、が大腿部から(そけい)部、あるいは膝窩(しっか)部付近に至るとこのが深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈)になることがありますので、超音波検査を行うなどして十分に観察することが必要です。深部静脈を発症すると肺塞栓を起こす危険が高まります。肺塞栓は致命的になることすらある重大な疾患です。

[2]遊走性静脈炎の場合、概説の項で述べたような背景疾患がある場合が多いので十分な検索が必要です。

※文中にあるオレンジ色の文字にカーソルを合わせてクリックすると、用語の説明が表示されます。

(執筆者:久保淑幸

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出典:「家庭のドクター 標準治療 最新版」(発行:日本医療企画 - 総監修:寺下医学事務所)/ 執筆者一覧


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